【社交不安症】人からの評価や注目が気になるあなたへ(前編)

2021年9月23日

皆さん、普段の仕事や生活の中で、このような感覚や考え方になっていないでしょうか?

・仕事場の同僚や先輩や上司から、否定的な評価を受けることに恐怖を感じる。
・発表の場や会議の場で、自分が注目されることが苦手に感じる。
・他人に欠点を見つけられたり、無能あるいは風変わりと思われることを恐れる。

もしかすると、社交不安症という症状かもしれません。この社交不安症は人口の1.5~4.5%が該当すると言われています。昔は、性格や気持ちの問題として捉えられていました。
実は私も、この社交不安症に該当します。そのため、たくさんの関連書を探して研究し、この病気と向き合いながら、人生を進んでいます。この記事では、前編・中編・後編として、概要や対応方法を説明していきたいと思います。

社交不安症とは?

社交不安症は、注視されること、評価されること、もしくは注目の中心になることへの恐怖です。今までは対人恐怖症、社会不安症などとも言われていました。
その中にある恐怖は、否定的に自分が評価されるかもしれないという恐怖になります。何か恥ずかしいことを言ったり、ぎこちなく見えることや失敗により、人から否定的に評価されると信じています。

例えば、公衆の前で話すこと、パーティー、人前で字を書くこと、人が居るところで電話をかけること、誰かと飲食を共にすることなどが恐怖の対象になります。

社交不安症の恐怖は、過度で合理的ではありません。原因は幼少期に根付いた思考パターンが影響しているため、治療には時間がかかることが多いです。これは自然治癒せずに、慢性疾患になっているためですが、改善できます。すなわち、治療可能な病気です。

社交不安症かどうかチェックしてみよう!

以下30問に当てはまるかどうか〇か×で答えてください(*1)

1人に馬鹿だと思われるのではないかと心配することは,ほとんどない。
2人がなんと思おうと,どうということはないとわかっていても,自分のことを入がどう思うか気になる。
3誰かが私のことを評価しているζとがわかると,緊張して神軽過敏になる。
4人が私について良くない印象を持ちっっあるとわかっても気にしない。
5人前で失敗するとひどくうろたえてしまう。
6自分にとって大切な人たちが私をどう思うか不安になることはほとんどない。
7馬鹿げたように見えないかとか,馬鹿な真似をして物笑いにならないかとよく心配する。
8自分のことを,他の人が認めてくれなくてもほとんど動じない。
9他の人が私の欠点に気づくのではないかとしばしば心配する。
10他の人が自分のことを認めてくれなくても,あまり気にならない。
11誰かが私のことを評価していると,最悪の場合を予想しがちである。
12どんな印象を人に与えているか,ほとんど気にしない。
13他の人が私を認めてくれないのではないかと思う。
14入に自分の欠点を,みっけられるのではないかと心配だ。
15他の人が私をどう思うかが,私を左右することはない。
16人に気にいられなくても,必ずしもうろたえたりはしない。
17誰かと話しているとき,その人が自分のことをどう思っているか心配だ。
18誰だって時には失敗をすることがあるのだから.私は失敗を気にする必要はないと思う。
19自分がどんな印象を与えているのかいっも気になる。
20自分の目上の人が私のことをどう思っているか,ひどく気になる。
21もし誰かが私のことを評価しているとわかっても,私にはほとんど関係ない。
22他の人が私のことを価値がないと思うのではないかと心配だ。
23他の人が私のことをどう思うかはほとんど気にならない。
24他の人が私のことをどう思っているか,気にしすぎると思うことがときどきある。
25間違ったことを言ったり,したりするのではないかとしばしば心配になる。
26他の人が私をどう思っているか気にかけない方である。
27たいていの場合,他の人が私に対して良い印象を持っだろうという自信がある。
28私にとって大切な人が,私のことを気にかけてくれないのではないかと思うことが多い。
29私の友達が自分をどう思っているかをあれこれ考えてしまう。
30目上の人が私を評価しているとわかると緊張して神経過敏になる。

30問の中で、2, 3, 5, 7, 9, 11, 13, 14, 17, 19, 20, 22, 24, 25, 28, 29, 30番の質問に対して、「〇」と答えた場合は、1点ずつ付けてください。また、1, 4, 6, 8, 10, 12, 15, 16, 18, 21, 23, 26, 27番の質問に対して、「×」と答えた場合は、1点ずつ付けてください。
この合計得点が、一般人口の約75%は19点以下になります。そのため、20点以上の場合は、他の人よりも社交不安症に該当しやすいと言えます(ちなみに筆者は27点でした。。)

社交不安症が考えていること

社交不安症の方々は、常々このような考え方をしています。

プレゼンテーションがあるときに、何週間も前から悩み始める。その間に、どんどん自分への不快感が増していく。
他人よりも劣っていると感じ、自己評価が低い。
・他人から無価値な人間と思われ。拒絶されるのではと思っている。
周囲からの批判に敏感であり、良い印象を作るのに過剰に関心がある。
・くよくよしやすく、人の目を気にする。
自分に対して厳しいルールがあり適用する一方、他人には適用しない。ただ、他人から自分へこれらの厳しいルールを適用されるだろうと思っている。

まとめ

この記事では、社交不安症の概要と、チェックリストについて説明していきました。
次回は、この社交不安症についてもう少し深堀したいと思います。

<次回の中編の記事はこちらから>

【参考図書】
(*1) 石川利江,佐々木和義,福井至(1992).社会的不安尺度FNE/SADSの日本版標準化の試み.行動療法研究 18. 10-17